純情 3 / 富士山ひょうた
倉田と戸崎が付き合う様なってからの話。
最終巻。
登場人物
倉田 将成 ✕ 戸崎 圭祐
あらすじ
倉田と戸崎がお互い以前より素直になり甘い時間を過ごしていた。
しかし、二人の事が倉田の母親にバレてしまう。
戸崎は倉田の母親に「別れて欲しい」と言われる。
感想
上手くいってハッピーエンドじゃなく家族問題をちゃんと描いてくれてるのがいいですね。
過去に不倫をしていた母親だろうが息子の幸せを願うよね。
女性を愛せるならそちらと結ばれて欲しいと思うだろうな。
でも、母親が倉田に言った「人の道に外れたこと…」といった言葉にはさすがに引きました。
それに対して「異性なら不倫でもいいのか」と言い返した倉田に「ホントそうだよね!!」って思ったんだけど戸崎が
”母親の言葉にも自分の言葉にも傷ついているのだろうか。
自分たちの関係も母親の不倫も「褒められたものではない」と感じている
倉田はそういう価値観の中に当たり前にいたのだ
と考えてた事にハッとさせられたし衝撃も受けました。
そうやって相手を責めるのではなく理解できる戸崎が本当にすごいし強い。
その戸崎が泣きながら「別れるのが嫌だ」と泣くシーンは胸がつまりました。
飄々としていてしなやかで強い戸崎がはじめて見せた弱さ。
今まで倉田の弱さを戸崎が受け止めてきたのが最後に倉田が戸崎の弱さを受け止める。
3冊通してのこの物語って「倉田の成長記」だった気がする。
1巻と3巻の倉田が違い過ぎて…。
その成長を丁寧に描いてくれたので感情移入できたなと思います。
最後の感想は
「幸せになって良かったね」と
「お互い初恋が実って良かったね」です。