まちのヤクザとパン屋さん / あめのジジ
サラッと読める作品。
パン屋さんとヤクザのカップリングです。
登場人物
綾瀬 千早(パン職人) ✕
羽鳥 慧 (インテリヤクザ)
あらすじ
羽鳥は大学受験を目前に親がヤクザに借金を作って逃げた。
ゲイ風俗に売られそうな所そこの親分から「大学に行って自分の組に役立つ人間になれ」と言われ大学卒業後ヤクザとなり今では若頭に。
そんな羽鳥の唯一の趣味が「パン屋巡り」。
ある日、オープンしたばかりのパン屋に入る。
その店のパン職人綾瀬と酒を飲みながらパンの話で盛り上がり眠ってしまう。
目を覚ますと、綾瀬が自分の上に乗り流されるままベッドを共にしてしまう。
感想
まず思ったのは、羽鳥は大学に行かせてくれた親分を親の様に慕ってるけど、「結局はヤクザにして自分のいい様に使ってるやん(-_-#)」と思ってしまいました。
羽鳥はヤクザなんですけどそんな感じはなく、横柄な態度も口調も無理してる感が否めない。
望んでヤクザになった訳ではなく、親の借金がなければ普通に大学に行ってサラリーマンになっていたんだろうなと思います。
その何とも言えないチグハグさが最初違和感だったんだけど、彼の過去を知るうちに納得のいくものになります。
彼が汚い事が出来るのも、危険な事に飛び込む事が出来るのも「平気」だからではなく「諦めている」からなんだと思う。
それに比べて綾瀬は飄々としながらも肝が据わってる。
彼は羽鳥の為なら、汚い事も危険な事も「平気」でするんだろうな。
これはおそらく持って生まれたもの。
綾瀬は羽鳥の「諦め」を感じ取り、そばにいる為というより守る為にこの物語の最後の決断をしたんだろうな。
後、パンが美味しそうだった(* ̄∇ ̄*)