不測ノ恋情 3 / 富士山ひょうた
最終巻。タチ同士の恋愛の行方。
登場人物
伊倉 絢都 ✕ 宮田 一臣
あらすじ
戸倉は気持ちが通じ合ったと思ってかいがいしく宮田に接するも、すげなくされる。
宮田はかいがいしく世話をしようとしてくる戸倉に、女扱いされてる様でいたたまれない気持ちになる。
若干すれ違っている二人。
そこに、ゲイがバレて十年以上連絡をとっていなかった宮田の家族から「母親が倒れた」と連絡があり…。
感想
最後まで甘い雰囲気にならなかった。
恋人というより、他人になるべく弱さを見せずに生きてきた二人の人間が、どう寄り添っていくかを探っていいく話でした。
宮田が十年以上疎遠だった母親が倒れたと聞いて、帰るべきなんだろうけどと悩み
「これがもっと深刻な状況だったら駆けつけるんだろうけど」と言った時、伊倉が「帰るべきかどうかではなく、自分の為に顔を見てくるでいいと思う」と言った伊倉が素敵だった。
伊倉が家族の事で悩んでいた時もそうだけど、この二人って相手に寄り添いながらもきちんと自分の意見を持ち、それを言葉で相手に伝える事が出来る人達。
これがこの二人の最大の共通点だと思います。
恋人として寄り添って生きていくというより、自立した二人の人間がお互いを見つめ合いながら並走していき、弱った時に駆けつけ寄り添う関係という感じがします。
それが、この二人にとっていい関係なんだろうな。
番外編で「純情」カップルが出てきました。
こちらは甘々です。